主な疾患
社会不安障害

症状
大勢の前で、発表する、挨拶をする。人と一緒に会食する、人前で字を書く、人前で電話をかける。上司にあいさつする、相談事をするなどの社交場面で極度に不安感、恐怖感を感じる。不安感、恐怖感のため、緊張し、震える。頭の中が真っ白になる、赤面などが主な症状です。
仕事上では、会議などで、自分の意見を言えない、発表ができない。受付や、同僚、上司の前で字が書けない、人がいるときに電話をすることができない。宴会などに出席できないなど社会生活に支障を来す疾患です。
学生は、上記症状のため、学校を休みがちになりますし、主婦の方などは、子供関係の行事、会合に参加できなくなります。
また、極度の緊張感、恐怖感、不安感などのため、人との交流を避けてしまい、症状が強くなると引きこもりがちになり、自信をなくしてうつ病を併発することもあります。

診断
問診の他に、LSAS-Jの点数も診断、及び、その程度の評価の判断になります。LSAS-J(LSAS 日本語版)とは、24の社交場面に関して、不安感・恐怖感及び回避行動をそれぞれ4段階で評価していただく検査です。点数に応じて社会不安障害の可能性があるかどうかと、その程度を知ることができます。


治療



薬物療法
うつ病にも使われる、抗うつ薬(主にSSRI)、抗不安薬が主体になります。 SSRIの服用注意はうつ病の治療と同じです

精神療法
病気の性質を知っていただくこと、性格的なことだけが問題なのではなく、治療が必要な疾患であることを理解していただくことが大切です。
また、薬物療法で不安感などの症状が緩和されることにより、回避行動が減ってくることが期待できます。回避行動が軽減され、苦手な場面での成功体験を積み重ねることが大切です。成功体験の積み重ねが社交場面での自信になります。不安感のコントロールを目的にした認知行動療法も有効です。