双極性障害(躁うつ病)


双極性障害Ⅰ型
うつ状態と躁状態を繰り返す疾患です。躁状態のときは気分が高揚し、何をしても楽しく、自信にみち、将来に対しても希望に満ちていると感じます。ただし、躁状態が顕著になると、イライラし、怒りやすくなり、他人ともめるなど人間関係でのトラブルに発展することがあります、金銭面でも不要な買い物をして多額のお金を使うなど日常生活、社会生活面で破綻を来すことがあります。
うつ状態のときは辛いので、自分は何かの病気ではないかと思い、病院を受診しますが、躁状態のときは気分が高揚しているため、自ら病院を受診することは少ないです。金銭トラブル、対人関係のトラブルを契機に周囲の人から、受診を勧められることが多いです。

双極性障害Ⅱ型
主にうつ状態が主たる症状で、間欠的に軽度躁状態が出現しますが、躁状態は軽度です。


治療


薬物療法

うつ状態と躁状態の程度を軽減し、気分を安定させることが重要です。

気分安定薬:炭酸リチウム、バルプロ酸、カルバマゼピン、ラモトリギン
非定型抗精神病薬:アリピプラゾール、オランザピン、クエチアピン


精神療法

うつ状態のときは、治療に対して意欲がありますが、躁状態のときは、ご本人は自信にみち、気分も爽快ですので、治療意欲、治療の必要性を感じないことが多いです。しかし、躁状態が著明なときには、金銭面、対人関係面において、逸脱行為を起こしやすく、社会的に不利益を講じることが多いため、薬物療法とともに、治療が必要な疾患であるという、心理教育的な治療も重要になります。